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夏の匂い

「洋服中心の夏の衣生活」

この雑誌は、「主婦の友 1958年7月号」の付録です(表紙=いわさきちひろ)。
既製服がまだそれほど一般的ではない時代なので、家族中の下着からお出掛け着に至るまでまかなえるぐらい豊富に作り方が掲載されています。いわさきちひろさんが大好きなので、以前、購入したものです。
私の母は、和裁も洋裁も編み物もしっかり習得している人なので、赤ちゃんの頃からずっと手作りのものを着させてもらっていました。

小さい頃の夏の思い出といえば、畳の部屋で〝蚊帳〟をつって寝たこと、蚊取り線香の匂い、スイカ(大人は塩をふっていた)や茹でたてのとうもろこし、地元が出場している高校野球、『ベルトクイズQ&Q』の〝夏休み子供大会〟などなどいろいろ思い起こされます。

数年前に読んだ、古い暮しの手帖(おそらく第二世紀)に掲載されていた〝奥多摩へ行こう〟という特集。
夏休みに奥多摩の緑豊かな自然を楽しむという記事を読んでいて、ずっと行ってみたいと思っていました。
そして、今週末は奥多摩方面へ行ってきます。豊かな自然があるだけの場所なので、きっと暮しの手帖に載っていたあの頃とそう変わらない(あるいは全く変わっていない)のではないかと期待しています。


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6月とアジサイの花

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今日で6月が終わります。
住まいのある周辺には、わたしの大好きな、色や形が様々なアジサイがたくさん咲いてくれていて、出かける度に花に目をやり、ささやかな喜びを感じています。
この季節、和菓子店などで、あじさいを見立てたお菓子が置いてあるのを見かけるのもまたうれしいものです。

写真の本は、暮しの手帖に連載されていたエッセイです。
本の内容も、白地に薄いグレーと黄色のすっきりとしたラインの装幀もとても気に入っています。
この連載は、花森安治さんが亡くなられた直後にスタートし、著者が暮しの手帖社の大橋鎮子さんとふたりで育てた仕事なのだと、あとがきにあります。
季節にかなったものや日々の暮らしにまつわるエピソードなど毎回テーマごとに写真が添えられていて、この写真がどれも素敵なのです。
この中には一枚だけ、花森さんが撮影した月夜の写真が掲載されています。

この「あじさい」というテーマのお話も写真も好きです。
あじさいは6月の花というイメージがあるので、7月に入りだんだんと見れなくなっていくと、いつも少し寂しい気持ちになります。
様々な色のあじさいの中でいちばん好きな色は、紫とブルーが混じり合った色です。
いつだったか、あるお宅のベランダにもくもくとあふれんばかりに咲きほころんでいるアジサイをみかけましたが、やはりアジサイは家の中より外にいてくれる方がしっくりくると思いました。

増田れい子さんが、この本とはまた別の本だったと思いますが、梅雨の季節に入ると、家の中で使うタオルをすべてアジサイ色のものに変える(タオルの衣替えのような感じ)と書かれていて、わたしも来年はそうしようと思いながら、日々の忙しさに流され今年も忘れてしまいました。来年こそは、紫やブルーのタオルを用意して、梅雨の季節を過ごしたいと思っています。


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わたしの暮らしのヒント集

暮しの手帖が発行している「わたしの暮らしのヒント集」という雑誌。先日のブログでも書きましたが、古本の値付けをしている最中に思わず読みふけってしまう本や雑誌というのがありまして、この雑誌もそういった中の一冊でした。ただ違うのは、気に入りすぎて自分の所有物にしてしまったことです。

医師・絵本作家・料理人・家具職人など、様々な職業を持つ30代から80代までの6世代に渡る男女15人の、時を経ていくつもの積み重ねていった経験から生まれ出た暮らしの知恵が掲載されています。気に入った理由というのは、経験者の〝生の言葉〝が美しかったからです。

いつか誰かに花を贈るとき、このお店で花を包んでもらいたいなと思っていたフラワーデザイナー高橋郁代さんの〝常識にとらわれたら、本当に美しいものも、見逃してしまうと思います。〝という言葉。仕入れで地方の花農家を訪れるとき、色が黒っぽくなったりして一般的には売り物にはならず捨てられてしまうような花。しかし、〝自分の目で見て美しいかどうか〝が重要な高橋さんは、そうして偶然の色や形によって生まれた〝規格外〝の花にも美しさを見出します。
この言葉は、古書を扱う仕事を持つわたしにとっても、こうした感性は大切にしていかなければ、と改めて思いました。

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堀井和子さん宅のテーブル。ミルクティー色のテーブルクロスがかわいいです。
暮しの手帖2011年6-7月号掲載の「私のテーブルクロス」というコーナーでこのクロスが紹介されていました。
京都の雑貨店で購入したスウェーデンの布だそうです。
「堀井和子さんの一日の過ごし方」と題したタイムスケジュールが載っているのですが、プライベートと仕事の配分がきちんとしていて無駄がなく、読むと背筋がぴしっとなります。


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座右の料理本

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本とコーヒー tegamisha」に、昭和の奥様冊子『奥様手帖』を納品しました。1960年頃から毎月、味の素から出版されていた料理冊子「奥様手帖」。書店では販売されず、通信販売で入手するシステムで、毎日のおかずやおべんとうづくりに役立つ豊富なレシピが掲載されていました。

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70年代の奥様手帖、中身の一部の写真です。
家庭で楽しむお菓子づくりなど、お菓子のデザインもどこか懐かしい感じがします。ぜひお手にとってご覧ください。

今日、値付けしながら読んでいた『暮しの手帖2012年8-9月号』に「わたしの好きな料理本」と題して、料理人や料理研究家などが「座右の料理本」をそれぞれ3冊ずつ紹介していました。
その中で、多くの人が座右の料理本としていたのが佐藤雅子さんの本でした。

確か、70年代の婦人雑誌「ミセス」だったかと思いますが、佐藤雅子さんのインタビュー記事が載っていました。
毎朝のご主人のお弁当づくり、これはご主人の希望で毎日サンドイッチとポットに入れた温かい紅茶と決まっていて、さらに保存食として作っておいた果物の洋酒漬けを刻んだものを入れた手作りクッキーも添えていたのだそう。
〝お弁当代はタダですよ。前の晩の自分のおかずを少しだけとっておけば、それでサンドイッチの具になりますから〝
ぴったり正確ではないかもしれませんが、このようなお話でした。

私も、佐藤雅子さんのように、季節の野菜や果物を使って保存食をたくさん作ったり(階段下の収納スペースに保存食が入ったガラス瓶が大量におさめられている写真を雑誌で見たことがあります)、材料を無駄にせず上手に使い切り、家族の健康のため栄養のバランスのとれたご飯を毎食用意できるようになりたい。
いつかそうなれるように精進したいと思います。