BOOK5 16号 「特集 二足のわらじ 本業と本業のあいだ」

Labor of Love. 直訳すると「愛の労働」。英語で「好きでやる仕事」とか「無償の奉仕」といったときに使う言葉だ。私にとって古本屋とは、文字通り「Labor of Loveー愛の労働」である。これまでも、そしてこれからも。『ぼくと二足のわらじ』古賀大郎

先日発売になった『BOOK5 16号 特集二足のわらじ』にて「ぼくと二足のわらじ」というちょっと長めの文章を書かせていただきました。『BOOK5』はトマソン社さんが発行している小冊子で、「本に関わるすべての人へ発信する情報バラエティ誌」。毎号本好きを唸らせる特集を組み、特集以外にも、古本ライターの南陀楼綾繁さんや古本屋ツアー・イン・ジャパンの小山力也さん、私の呑み友達である古書赤いドリルの那須太一さんなど多彩な人々が連載されている大変面白い雑誌です。

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今号は本に携わる方の「二足のわらじ」がテーマで、古書モダン・クラシックを開店してから去年まで8年の長きにわたり、古本屋と郵便局という二足のわらじを腰までズッポリと履いていた私に執筆依頼が来たのでした。私が勤めていた郵便局の仕事を簡単に説明すると、「新夜勤ゆうメイト」といって要はアルバイトでして、夕方6時から朝8時まで寝ずに仕事をするというもの。つい去年まで私は、夜中郵便局で仕事し、終わったら昼まで寝て、それから古本の仕事をしてまた2・3時間寝て郵便局に行くという、ブコウスキー顔負けの崖っぷち生活を送っておりました。詳しくは『BOOK5』に書かせて頂いてますが、いろいろあって去年の2月に郵便局を出所することができ、そこら辺りの一部始終を面白おかしく、しかし郵便局へのルサンチマンたっぷりに書いております。われながら出色の出来のルポルタージュになっていると思うので(笑)、ご興味のある方は是非。あわせてシモーヌ・ヴェイユの『工場日記』、ジョージ・オーウェルの『パリ、ロンドンどん底生活』、そして言うまでもなくブコウスキーの『POST OFFICE』などをお読みになれば、本に携わる人間の「二足のわらじ」が、いかに昔からポピュラーであったか分かると思います。

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