故郷へ帰る

来月のどこかで数日間、家族で実家へ帰ろうと計画しています。
何をするというわけではありませんが、今年後半戦の英気を養うべく、少しの間お世話になりにいってきます。

私の故郷・銚子にはいくつかの文学碑があり、観光名所のひとつとなっています。子どもの頃からの見慣れた光景なので、あらたまって見学に行ったりすることはありません。
https://www.city.choshi.chiba.jp/kanko/guide/kawaguchi/kawaguchi.html

銚子にある文学碑には、茨城の牛久に暮らしていた日本画家・小川芋銭の碑があります。銚子は県境に位置するため、橋を渡った利根川の向こうが茨城になります。牛久の小川芋銭の家の近くには、農民文学者・犬田卯の家があり、両家は仲が良くちょくちょく行き来をしていたようです。

戦前の牛久では、丑寅(東方から)の風が吹いたとき、〝ドーン・ドーン〝と太鼓のような重量感のある響きがよく聴こえたそうで、犬田いわく、その音は「二十里東方の銚子漁港海岸の岩に太平洋の荒波があたって砕ける音だ」とのこと。
それを読んだとき、まさか牛久まで銚子の波の音が聴こえるものなのかと疑問に思いましたが、戦前の話しであるため、当時は大きな建築物もそう無く、本当のことであったのかもしれません。

銚子の荒波とはどういうものか。
あまりにも知られたことで、わざわざここで書くことでもないとは思いましたが、東映のオープニングに映し出される海の映像は、銚子の海鹿島(あしかじま、と読みます)で撮影されたものだと言われています。ちなみに、小川芋銭の別荘は海鹿島にあったということです(銚子市海鹿島町)。

トップ画像は、荒れていないときの静かな銚子の海を店主が撮影したものです。

kayo
女性向け古本担当  会社員として過ごしていたある日、ネットで生まれてはじめて買った古本『暮しの手帖』。この一冊がわたしの運命を大きく変えた。まもなく脱サラして結婚と同時に夫婦でオンライン古書店をスタート。人の普段の暮らし方について興味があり、増田れい子・住井すゑ・岡部伊都子・クニエダヤスエなどエッセイを好む。手紙舎の古本のセレクトを主に担当。千葉県出身。一児の母。書道師範。

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