6月とアジサイの花

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今日で6月が終わります。
住まいのある周辺には、わたしの大好きな、色や形が様々なアジサイがたくさん咲いてくれていて、出かける度に花に目をやり、ささやかな喜びを感じています。
この季節、和菓子店などで、あじさいを見立てたお菓子が置いてあるのを見かけるのもまたうれしいものです。

写真の本は、暮しの手帖に連載されていたエッセイです。
本の内容も、白地に薄いグレーと黄色のすっきりとしたラインの装幀もとても気に入っています。
この連載は、花森安治さんが亡くなられた直後にスタートし、著者が暮しの手帖社の大橋鎮子さんとふたりで育てた仕事なのだと、あとがきにあります。
季節にかなったものや日々の暮らしにまつわるエピソードなど毎回テーマごとに写真が添えられていて、この写真がどれも素敵なのです。
この中には一枚だけ、花森さんが撮影した月夜の写真が掲載されています。

この「あじさい」というテーマのお話も写真も好きです。
あじさいは6月の花というイメージがあるので、7月に入りだんだんと見れなくなっていくと、いつも少し寂しい気持ちになります。
様々な色のあじさいの中でいちばん好きな色は、紫とブルーが混じり合った色です。
いつだったか、あるお宅のベランダにもくもくとあふれんばかりに咲きほころんでいるアジサイをみかけましたが、やはりアジサイは家の中より外にいてくれる方がしっくりくると思いました。

増田れい子さんが、この本とはまた別の本だったと思いますが、梅雨の季節に入ると、家の中で使うタオルをすべてアジサイ色のものに変える(タオルの衣替えのような感じ)と書かれていて、わたしも来年はそうしようと思いながら、日々の忙しさに流され今年も忘れてしまいました。来年こそは、紫やブルーのタオルを用意して、梅雨の季節を過ごしたいと思っています。

松田聖子のお菓子作りの腕前

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先日、田原俊彦ファンだった時代の話を書きましたが、そのときに購読していた「月刊明星」の中から思い出の一冊をご紹介いたします。
あの頃、一般人だけでなく、同時期にデビューした女性アイドルたちにも多大な影響を与えたあの「聖子ちゃんカット」。かくいう私も母のくるくるドライヤーを借り、〝聖子ちゃんカットの作り方〟が豊富な写真とともに詳しく掲載された小さくて薄い月刊明星の付録を見ながら、よく真似たものでした。しかし、あれはパーマ禁止の中学生の髪では作れないことがすぐにわかりました。ほどほどにゆるいパーマがかかっていないとあのウェーヴは維持できないのです。あの小さくて薄いヘアカタログをいつかどこかで見つけたいです。
松田聖子のヘアスタイルで思わず話が長引きましたが、それ以外にも、ファッションやライフスタイルなど当時の中高生には新鮮で、いろいろ真似てみたりした人も多かったと思います。

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この1981年5月号の月刊明星。どのページもいまでもよく覚えています。
聖子ちゃんが19歳の自分の誕生日にケーキを19個作るという企画で、正確にはケーキではなく、各種フルーツや栗の甘露煮などをトッピングしたタルトなのでした。私は小学生の頃からお菓子作りを趣味にしていたので、この聖子ちゃんが作った、トランプ型のタルト生地にカスタードクリームを詰めてフルーツなどをのせたタルトをどうしても作りたくて、同じトランプ型のタルト型を購入し、真似て作ってみたことがあります。
あの頃は、聖子ちゃんのお菓子の出来栄えを見て、なんておいしそうに作ったのだろうと思っていましたが、いま見てみるとけっこう雑な作り方しているなと(笑)でもこれは本当に懐かしい記事です。

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こちらは、河合奈保子のページです。この記事もほんと懐かしい。
実は、実家のある街にかつてあった小さなデパートの屋上で、当時の新人歌手として、河合奈保子が来てくれたことがあり、もちろん私も駆けつけました(笑)〝大きな森の小さなお家〟というデビュー曲を歌ってくれ、なんて可愛い人なんだろうと思いました。本当にとても可愛かったです。
ちなみに、個人的には河合奈保子の曲の中では、「エスカレーション」が好きで、会社員時代、カラオケでは必ず歌っていたほどです。

松田聖子の話に戻りますが、聖子ちゃんの出した曲の中で一番好きなのは「夏の扉」です。TBSの「ザ・ベストテン」でこの曲が初入りした時、着ていた衣装がなんともいえないぐらいの可愛いさで、自分がデザインしたのだと、司会の久米宏と黒柳徹子に話していた記憶があります(youtubeの衣装は、私の好きな衣装ではありません)。
友人にいまでも松田聖子ファンの人がいるのですが、ライブでいちばん盛り上がるのがやはりこの「夏の扉」だそうです。
他にも、聖子ちゃんのかつて読んだ記事で、また読みたいものがたくさんあるので、少しづつ見つけてまたブログでご紹介したいと思っています。

50歳を過ぎてから料理研究家になった女性

今日は、「本とコーヒー tegamisha」に60〜70年代の手芸雑誌や料理本、食のエッセイなどを納品いたしました。
手芸雑誌では、70年代日本ヴォーグ社発行の世界手芸の旅シリーズの中から、青森の伝統工芸〝津軽こぎん〟と美しく温かみのある風合いが特徴の〝ルーマニアの刺繍〟、そしてスウェーデン刺繍やかわいい子ども向けの刺繍本なども並べてみました。

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世界手芸の旅シリーズの中の一冊 / ルーマニアの刺繍 / 日本ヴォーグ社 / 1977年

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料理本では、白系ロシア貴族の家に嫁ぎ、厳しくロシア料理を仕込まれ、さらに自らロシアの料理人からもロシア料理を徹底的に学んだ努力の料理研究家・入江麻木さん(小沢征爾氏は義理の息子)の本も置いてあります。50歳を過ぎてから料理研究家になったというのは遅咲きと言ってよいのでしょうか、実に希望が湧いてくるエピソードです。
また、婦人之友社から、辰巳浜子さんの本と家庭向きイタリア料理の本もぜひお手にとってご覧ください。

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お料理はお好き 入江麻木の家庭料理 / 鎌倉書房 発行 / 1977年

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こちらは、雑誌オリーブの特設スペースです。

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さきほどお店へ行ったとき、セキネさんがコーヒー豆の焙煎をされていました。とても良い香りでした。

雑誌「anan アンアン」の着物特集

数年前、それは、神保町の古書街で起こった不思議な出来事です。

20代後半頃に実家を新築した際、ダンボール箱ごと行方不明になってしまった雑誌や本があるのですが、そうして無くしてしまった本や雑誌をいまでも少しづつ見つけて買い集めています。
その日も、そんな風に神保町の古書店にふらりと入ったときのことでした。成人式の日に着るための着物選びの参考のために当時購入した雑誌「anan アンアン」の着物特集の号を探していました。

そのお店は雑誌専門店なので、いろいろな雑誌のバックナンバーがずらりと棚に収められており、アンアンだけでも一体どれぐらいあるのだろうかと棚を見上げて途方に暮れました。どうしたらいいかと考えた末、まずは、心も頭の中もクリア(無)にして、導かれるままに右手を本棚に差し出してみました。そうして吸い込まれるようにぎっしりつまったアンアンの中から一冊抜き出してみました。それはまさしく私が探していたアンアンの着物特集でした。

IMG_2256購入当時、一目惚れしてしまった一枚の着物姿の女性の写真。しっとりとした藤色のこんな着物を成人式の日に着てみたい。そう思って、呉服店で着物を選ぶ際にとても参考になりました。
ただの偶然なのかもしれませんが、これは実話であり、無事にあのときのアンアンと再会を果たしたのでした。
高校生の頃に大好きだった占いの雑誌「My Birthday」と「Lemon」もまた見つけて読み返してみたいと思っています。