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奥 様 手 帖

1960年の創刊から1996年まで味の素から出版されていた料理冊子「奥様手帖」。
書店では販売されず、通信販売で入手するシステムで、毎日のおかず、おべんとうづくりに役立つ豊富なレシピが掲載されていました。

今夜のおかずは何にしよう?

栄養のバランスが整った経済的な献立は、主婦の毎日の悩みのタネ。
年代によって少しずつその内容が変わりながらも、奥様の毎日のおかずづくりのパートナーとしていつでもそばにありました。

この特集でご紹介するのは、1964年〜1970年までのものとなります。


表紙構成 / 勝井三雄
奥様手帖 1967年2月号 奥様手帖 1967年3月号 奥様手帖 1966年10月号



辰巳浜子さんの料理「ストーブの上でグツグツ」。
白菜を丸ごとベーコンといっしょに煮こんだあつあつのスープです。

一日じゅう火のある冬の居間で、たっぷり時間をかけて煮込む料理はたくさんあります。
が、世の中のせわしさに押し流され、手間ひまかけることがすたれぎみのこのごろです。

(本文より抜粋)
奥様手帖 1966年1月号より



他にも、料理講師陣は、帝国ホテル料理長を勤めていた村上信夫氏、洋食屋「たいめいけん」の創業者の茂出木心護氏、辻 静雄氏、江上トミさん、飯田深雪さん、河野貞子さん、榊 叔子さん、大原照子さん、バーバラ・寺岡さんといった料理番組や婦人雑誌などで活躍されていた方々です。



1964年5月号より。こちらは、子どものための料理です。チキンライスにサンドイッチなど、「子どもの日」のための特別メニューといった感じで、彩りもきれいなごちそうです(料理指導 / 榊 叔子)。


お菓子作りのページから。見た目にも昔の手作りお菓子ならではの温かみのあるものばかり。とってもおいしそうです。
1966年10月号
1965年3月号

まだまだあります、お菓子のページ。ママのつくるおやつ「ピーナッツ・タッフィー」(1966年4月号)、秋の味覚・栗を使ったお菓子「冷たい栗のスフレー」(1967年10月号)、香ばしそうな「フライド・ビスケット」(1969年5月号)、天火を使わずにできる「バナナクリームパイ」(1965年6月号)など、他にもたくさん掲載されています。



奥様手帖の中で個人的にとくに気に入っている表紙です。黒豆の黒と品の良いうす紫色の背景とのコントラストが美しい一冊。
(1970年1月号)


味の素の広告いろいろ。

お正月限定商品の味の素だそうです。佃 公彦さんのイラストなどとってもかわいいものばかり(1965年1月号より)。


他社でも、うまみ調味料はいくつかありましたが、そういうのひっくるめて皆それらを、味の素と呼んでたように記憶しています。古い婦人雑誌ミセスなどの広告ページでよく見かける、味の素の専属タレント三ツ矢歌子さんもニッコリ(1965年6月号にて新専属タレントとして紹介されています)。

もうひとつとても気になる広告が・・
すごくかわいいんですが、何かキャラクター名が付いてたんでしょうか?
(1966年4月号より)


奥様手帖には、「臨時増刊」や「別冊」もありました。


ほっとひといき、奥様の読みもの。

この時代の料理雑誌などによく見かけられますが、巻頭に詩のページがあります。そういえば、初期の頃の「四季の味」(鎌倉書房)もそうでした。また、三宅艶子さんの「おいしいもの」(1965年10月号)、中里恒子さんの「お座敷洋食」(1965年5月号)、岡部伊都子さんの「京の田舎に」(1965年9月号)、石井好子さんの「フランス料理店 マキシムのソース」(1968年1月号)などのたべもの随筆も楽しめます。

60年代の奥様手帖は料理ページが大半を占めていますが、70年代に入りますと、暮らしにまつわる読みものが多くなります。食品の管理、季節ごとの衣類のお手入れなど、衣食住についてのあれこれをまとめた「奥様百科」(カット/ 松本はるみ)や、ヨーロッパ各国の奥様の暮らしぶりを紹介する連載「ヨーロッパの奥様に学ぶ」など。


写真は、当時の生活評論家・吉沢久子さん宅のお台所です。とかく北向きに設置されることの多い寒い台所。一日のうち、台所に立つ時間の長い主婦にとって冬場の台所仕事はつらいもの。

“暖かいつまみぐい・・・台所のつまみ食いも、もっと堂々とやってください。ホット・レモン、しょうが入り砂糖湯などは、台所で手軽に作れて、飲めますし、第一、からだが素敵に暖まります。

しょうがドリンクは、冷え性に良い飲みものとして今でも重宝されていますね。
女性にとって冷えは大敵です。他にも、寒さ対策のアイデアなど、そんな冷えを緩和するいろいろな工夫が紹介されています。(1966年2月号より)


70年代の奥様手帖から。

70年代に入ると本誌も万博関連の記事が多くなります。上の写真は、万博会場内の味の素レストラン。スタッフのユニフォームがかわいいです。
気になるメニューは、ビーフシチューEXPO風・ハワイアンバーガー・チキンバスケットなどの洋食がメインですが、いきなり天ぷらどんぶりがあったりするところがあの時代らしいです。ちなみにこれらのレシピも掲載されています。

1968年11月号では、読者にこんな呼びかけが↓
“万国博に「味の素レストラン」!見学に疲れた世界のお客様にくつろいでいただくために、緑の木陰を。そう考えて30mもある大きな銀杏の木をさがして、やっと三本の大銀杏がみつかりました。この銀杏の木陰で、どんなおもてなしをしたら一番喜ばれるでしょう。レストランの飾りつけ、メニュー、なんでも結構。万国博にふさわしいユニークなプランをそっと教えていただきたいのです。”
当選者には、万国博入場券や味の素製品がプレゼントされたようです。


大阪万博開催期間中の1970年6月号から1970年10月号まで連載されていた「ミセスのエキスポ」。万博会場に集まっている世界各国の代表的な料理を紹介していくコーナーです。監修は、料理研究家の辻 勲氏。料理のレシピもしっかり掲載されています。
また、本誌と同じ世界の料理が、味の素提供テレビ番組「ミセスのエキスポ」でも日本テレビ系列にて毎週・月曜日〜金曜日に放映されていました(放映は、9月にて終了)。




実用的で、見どころ読みどころ満載の奥様手帖。

まだまだご紹介しきれていない興味深い記事などたくさんありますが、ひとまずこのへんで終わりといたします。

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